夫も父親もいない社会でも、十分「あり」なんだよなあ ~中国のモソ族
風邪引いて五日目、高熱は引いたものの結局、咳と微熱が取れず、この数日寝たり起きたりだったわけ、私はさ。そこへ今日は、昨日から絶好調で進んでたメタルギア3が、思わぬことで横死したショックもあり、昼過ぎから完全に寝てたのさ。
そいで腹減って起き出し、おかゆ啜りながら見た番組。暇潰すのに、ケーブルの3つのドキュメンタリー・チャンネル(アニマル・プラネット、ディスカヴァリー・チャンネル、ヒストリー・チャンネル)と二つのニュースチャンネル(NewsbirdとCNN)は欠かせないんだけど、これはディスカヴァリー・チャンネル、エミネムの歌にも出て来たチャンネルで、以下が番組案内
現代社会から隔離された、チベット山脈の広西チワン族自治区の小さな集落に住むモソ族の成人男女は一生を生家で過ごし、結婚制度がないため幾度もパートナーを変えることが許されている。女家長制のモソ族は、日常の仕事を女性がこなし、パートナーを選ぶことにおいては女性に決定権がある。そして女性は、父親の違う子供たちを夫なしで育てる。インタビューをおりまぜながら、現代社会の一般概念とは違うモソ族の世界に密着取材する。ごく原初的な女系家族を考えてもらえればよく、要するに夜這いによる通い婚ですね。これで婿が家に入れば、「招婿婚」ってことになるんだろう
(あ、いい加減なことを。人類学やった人ぶたないでっ。んで、関係ないけど、連れでちょっと歴史を囓った女はみな、平安朝の「招婿婚」が理想だと言うんだよな。まあ、それはそれでほんまに婿さんを家に引き込んでしまうと、それはそれで苦労も多いぜ)
いや、まだしんどかったもんでぼんやり見てたんだけど、面白かったのは、このモソ族の社会ってのは、セックスと家庭を完全に切り離した社会システムなんだなってこと。
生まれた子供は母親の家族が「家族」としてケアするんで、その時、母親の兄弟が父親役をやるわけですよ。ある「兄」は、よその家で生まれて育っている「生物学的我が子」より、「甥or姪」の方がずっとかわいい、何故なら「うちの子」だからだと当たり前のこととして言っていた。
つまり、この村では生物学的父親ってのは家族じゃないの、家族は母系の血縁者のみ、なわけ(そこでのインセクトタブーってのは相当きつい)。ちなみに、この部族の言葉には「父親」とか「夫」に対応する言葉はないそうだ。だろうなあ、概念が無いんだから。
私はほおと思い、頬杖をついた。
一組の男女が、子供ができておとうさんとおかあさんになっても男と女であり続けるのはたいへんだあとは、連れがみんな言っている。たとえ、子供がいないにしても、結局、家族的一体感と性的関係ってのは反比例しがちじゃないの、やっぱさあ。 それは「家族」には心理インセクトタブーが出現しちまうからだってのは、男の浮気の言い訳にも使われるけど、ある意味、現実を「反映しとるご意見とも思うのさ。
そこで、セックスと家を切り離してしまう、というのはある意味、とても合理的に思えたわけ。 無論、この土地にも「近代」は教育や観光という形で押し寄せていて、とりわけ中国政府、彼ら曰くの「漢民族」は、世界でもっとも強固な男系主義者なもんで(それだけにまた反動で女が恐ろしく強い)、教育でもって文明化しようと必死だわさ。
でも、若いモソ族の女の子がいみじくも言ったさ。
そんでもやっぱ、今まで通りやるわよ。通ってもらうわよ~♪
何で?
だってそういう漢民族の言う結婚ってしちゃうと、相手の経済状況とか絡むじゃない(=結婚て生活じゃないのさ)、今のまま(通い婚つうか夜這いつうか)なら、気持ちだけでつきあえるでしょ(=恋愛してられるでしょ=どきどきしてられるでしょ)。
ほお、と私はまた思い、頬杖をつきなおした。
んにゃ、私は別にこれが女の天国とも新しい家族のあり方の理想とも思わないさ。まずもって大家族じゃないと無理なシステムだしね。
んだけど、例えば、今までフツーと思われた、ほんで未だにこれが永遠のスタンダードと信じて疑わぬ人も多い、「男が外で働いて女はおうちで専業主婦、だから家のことはみんな女がやって男は何もしないのがトーゼンよ」ってなシステムってのも、単に戦後の高度成長が生んだ幻想に過ぎないわけよね。んなこと、もう何十年も前から言われ続けてることなんだから。
男と女のセックスのあり方も、家族のあり方も、時代によって、それぞれの土地に育まれた固有の文化によって、全然違うわけで、これが絶対ってのは無いってこと。
そう思っておいた方がすごく楽、つうか楽しいし面白いよなーって。
結婚した方が幸せ、なんてこともないし、しない方が幸せってこともない。人生の伴侶、ライフタイムパートナーを選ぶときに相手が異性でなくたっていいし、その時にセックスが必須条件とも限らない(だったら兄弟姉妹だっていいわけじゃん)。
当人とパートナーが、「家族」になることを求める人間同士が何を望んでいるかで、いろんな形があっていいんだなあと、あったりまえーのことを思ったわけ。
勿論、そのメリットと同時にリスクを負う覚悟があるなら、だけどさ。
でも、たとえ、今の日本で「家族」と一般的に思われてる形にしたって、自分で選択した以上リスクはつきまとうわけよ。それは忘れないようにな。
ググったら、こういうサイトがあった。ともかく面白かったんで、いずれ本とか探してみてHPにまとめて書こうかなあ。……ってそんなのばっかか私は(藁)。
中国雲南省納西(ナシ)族、摩梭(モソ)の母系社会を訪ねて
幻の民族が暮らす「女の国」~瀘沽湖(←こっちは観光サイトだもんで浅い)
と、わたしも、頬杖をつきなおしながら、リンク先も含めて読みふけってしまいました。
合理性と言うか、こっちのが、自然に叶ってて生き易そうな気もしましたです。
はい。
かく言う私も、治ったと油断していたらぶり返すの繰り返しでいい加減ウンザリです(^ ^;
話は違いますが、オトコって、「結婚=生活」という考えのまるでないのが
ちょいちょい、いますね。まあ私の親父もそーなんですが、今それで知り合い夫婦が
危機に陥ってます・・・
だしょ。私も正直、ええなあと思ってしまいました。つうか、良くできてるわあ、と。真面目に調べてみたいと思います。
>megellenicaさん
インフルエンザじゃないようです。微熱は体質ですんで(藁)。ご心配ありがとうございます。
うん、亭主向きじゃない男って居るし、女房向きじゃない女も居ますね。そういうのも全部、ひっくるめてベストマッチな家族のあり方つうのを、やっぱこれからの子は選らんで欲しいなあと。
>umacoさん
そうですよね。私もいっつもそう思います。別に男女ベア子供二人に限らんでもええやんと。家族こそ、一番身近な存在なんだから、フレキシブルでええやんと。
でも、その3人の生活って楽しそう。
数年前からいつ引退するか きっかけはどうするかみたいなこと
言ってましたから このままフェードアウトもありえるかも知れません
ライオンの家族みたいな子育てっていいなぁ・・・と女の側から見てそう思ったよ
管理人の私が納得してるから、消さないで(藁)。
>k-nshさん
うん。私も。私は類人猿すごく好きなんだけど、あれオスのハレムってのに何かこだわる(藁)。それはそうと「レオ」を鼻で嗤いつつ見る子供、そう言う奴好きですわ(藁)。
>zaziesさん
書き忘れてたの。うん、この部族で「嫉妬」ってのはもっとも恥ずかしいことらしいわ。恋人を独占するなんて、男も女も恥ずべきことって感じてるらしい。
このネタに対する反応はやっぱ女に集中しましたなあ。そこも面白い。うちの同居人も面白い社会システムだけど、僕は無理と言い切ってましたから。
私もそうなんだけどねー、実は(藁)。でもね、それもまた、今、自分が居る社会での「縛り」だなって思ったわけ。崇高ってより、それが当たり前の社会なら、当たり前で平気なんだなあと。
>megellanciaさん
うん。双方納得の上の選択なら、ぜーったいにOK。うちもそうだもん。これからもOKかどうかは神のみぞ知るけど(藁)。
女の人だけに相手の選択権があると、私のようなものは一生選ばれないかも知れないっていう悲壮感を感じました。
でも、女の人に養われて生きていけるのもいいかも知れないなあと、
今思いました。(そういう訳でもないのかな?)
恋愛はまったく同じだす。男もがんがん夜這いかけます。そんで、恋愛してセックスしますが、PiuLentoさんは実家から離れません。あなたが、自分ちの子、として面倒みなきゃいけないのは同じように家に居る妹さんの産んだお子さん、つうたら、わかる?
上野千鶴子さんも、「同じ屋根の下で暮らしてる人を家族と呼べばいいんじゃないの?」というようなことを言ってたと思います。そーだよねー。気の合わない人間といっしょに暮らすほどの精神的苦痛は無いです・・・(痛)
大丈夫、甥姪でもあなたのDNAは保全されてます(藁)。
>rabbitfootmhさん
そう?(藁) なんか常連さんと遊んでて長くなってるだけと思うのよ。いくらでも入ったって。寂しいから(藁)。
私も家族ってそんなもんだと思います。矢野顕子は「たとえ、ひとりきりになったとしてもHome Sweet Homeだ」と歌いましたし。