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京都 寺町通りの小景 三年前の五月の散歩

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寺町通 竹苞書楼


で……この数年、私はひきこもっていたわけなので、これも三年前の写真である。そんで、記憶もまた三年前に頼って書いてるので、相当怪しい。そこはご寛恕くださいませ。

 距離という点で言えば、実際、私にとって京都というのは「わざわざ出かける」場所だけれど、実際に意識の上では、「何か見に必死こいて行く場所」ではない。
 どこか、ぶらぶら散歩してくる場所という感じがする。この寺町通りもそういう場所だ。
 
b0016567_0415996.jpg 四条河原町の駅を出て、河原町OPAのあたりで東に曲がって北へ上がる。お寺に挟まれた狭い通りを進む。ここが裏寺町通りで、ここもかなり雰囲気がある。
 スクーターに乗ったお坊さんはけっこうなスピードで行き交い、乳母車を押す若いお嫁さんが、おばあちゃんを連れてお参りに来ている。実相寺がロケしてそうな通りで、寺の低い屋根や建物の間からちらちら京極通りのけばけばしい看板が見えたりするのもまた、京都らしくてよろしい。

 そこから三条通りに出て、寺町通りに入る。アーケードの続くこのあたりは寺町専門店会商店街
 私がうろうろしてた頃は、GWのまっただ中でも観光客はほとんど来ない通りで、京都の人のフツーの買い物の場所、という感じだった。しかも、aliveな商店街だった。

ツヅク




 ともかくてこてこ歩く。落款印とか蔵書印とか作ろうかなあ、今度こそとか思いつつ田丸院房を覗き、スマート珈琲店で珈琲を飲み、小腹が空いていればホットケーキ食べる。其中堂の畏れ多そうな本の群れ(仏教専門書)をショーウィンドウ越しに眺め、こういうもの読んでちっとは勉強した方がいいのではないかとも考えるがすぐ忘れる。だから今なおバカである。
 この通りには画廊がいくつかある。どれもちらちら覗くだけでスルーし、姉小路通の角にある鳩居堂に入る。
 この店は、京都でよく行く店の一つで、私は文房具マニアだから紙マニアでもあるのだ。和紙巻いたのも買うが(そのまま使うこともあるし、広げてマクロで撮っといてレイヤー加工にも使うのだよ)、ここでは必ず一枚漉きの絵葉書と便箋を買う。絵葉書は自分でも使うが、母にお土産で渡すと喜ぶからだ。便箋は手紙を書くときに使ってる。お気に入りは表がベージュがかった白、裏が鴇色のと鬱金のだ。(その紙に心当たりがおありの方、おいでかとw
 隣の民族楽器コイズミにも入り込んで、こそこそと楽器に触り、値段見て、弾けもしないのに買っても仕方ないのだぞと自分に言い聞かせる。
 そして、創業280年の竹苞書楼。ここでやっとトップに上げた写真にまでたどり着いたw。
 本の匂い、というのはそれだけで私を幸福にさせるし、それがまた古書のかほりとなると悦楽の極地に彷徨う心地となる。ここではねばる。シーゴラスともどもねばる。ただ、どれも決してお安くはないのよ(涙)。だからこそねばるの。んで、こんときは何買ったんだろう? お能の本かなあ。
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寺町のどこか


 さて、この古書店前で専門店街のアーケードは終わり、ついで御池通に出る。
 ここで市役所に回り、あのクラッシックな建物を撮るが、未だかってまともに撮れた試しがない。また、この通りから東なり西なりにカメラを向けると、誰でもパースペクティブな京都の写真が撮れるw。ああ、そうだ、この通りを渡る前に、ちっくら本能寺に寄るのもいい。

b0016567_0432847.jpg ここからは寺町会になるそうで、加納洋服店と隣のメンズショップは結構フォトジェニックであると思う。さらにカフェや古書店、古美術店、骨董品店、八百屋になど、いかにも京都らしい店が並んでいるが、地に足ついた感じで、観光地のうわっちゃれえ風はない。
 空が見えるし、人通りは少ないしでとても気持ちがいい通りだ。この日の目当ては村上開新堂だったのだが、閉まっていた。そいで、近くの小さな雑貨店で、一応は作家モノの和紙で作った猫買ったんだが、あれはなんて店だったかしらん。水上勉の揮毫とか飾ってあったな。もうないのかな。未だにその猫は机の上にちんと居るんだけれど。

 この通りと二条通りとの交差点に、梶井基次郎の『檸檬』で有名な八百卯があった。なんと、この翌年、2009年に閉店した。毎度覗いてはみたけど、わざわざ「梶井基次郎が云々」という毛筆の張り紙がしてあり、そこがザッツ京都ティストというか、でも梶井これでいいのか、というかで、結局、まともな写真は撮ってない。
 基次郎がその檸檬を置きに行き、粉葉みじんを夢想した丸善もとうにない。私が知る限りでは京都丸善は河原町にあったが、そこも4年前に閉まった。学生時代、大好きな店だった。高校の頃、美術部で展覧会に出かけた帰り、初めての原書を買った。サリンジャーのNine Storiesだった(ただし、まともに読んでないけどw)。

 一保堂茶舗で自分ちの分と、やはり母へのお土産のお茶を買い、さらにだらだら歩くと白井ふとん店もある。これも香ばしい風情の店である。
 やがて下御霊神社に出る。
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 ここに祀られてるのは、吉備真備、崇道天皇(早良親王)、伊予親王、藤原吉子、藤原広嗣、橘逸勢というあたりで、日本史で「絶対に試験に出る」とたたき込まれた奈良~平安初期の政争負け組or濡れ衣組オールスター。いわゆる京都の闇セクションの一つだから、一応はじっくりお参りしておく。まあ、まともな本読んだ限りでは、巷間言われておるほどに根性いれて祟りそうなタイプはいない気もするがw。

 ここまでで私の散歩は終わり。ともかく、なんかこのへんに団子屋さんあったよなと丸太町通りへと出る。
 すると、途端にクラクションが耳を叩く。けれど、その行き交う車の向こうには、あたりの喧噪を全て吸い込むかのように、御所の濃い緑がしん、と広がっている。


余談:自分で書いててなんだけど、厨房、コーラス部で、高校が美術部って、なんか私ってリリカルな文学少女だったのね。 いや、漫研の部長兼務で軽音の幽霊部員でもあったんすけどね。
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by acoyo | 2011-04-29 01:15 | 半径○キロの散策 | Trackback | Comments(2)
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Commented by tonbori-dr at 2011-05-01 20:50
京都は古いものが程よく残ってるしまた残してますよね。
まあ最近は結構新しくしいちゃったところもあるっぽいけども。
またぶらぶらしたくなってきたなあ。
Commented by acoyo at 2011-05-03 16:59
★tonboriさん
市民がいい意味で「営業意識」持ってると思いますw。新しいものもきちんと作ったものなら、あの街とは相性いいと思うんですね。
ぜひ、行ってください。夏が来たら地獄の街に(爆)。