東京芸大出の映画監督っていたっけ?(学芸大なら知ってるけど)

たけし教授効果…芸大監督脚本競争率13.7倍

 昨日記事に書いたら、このニュース。
 たけしが東京芸大の院で教えるってのは知ってたけど、へえ、13.7倍ねえ。
 でもさあ、院よりもまず学部の充実じゃないのお。日本じゃアメリカみたいに大学院が気安い存在じゃないんだから。私の連れで修士取った奴は、就職で号泣したぞ(理系ならともかく、文系の院はなあw)。

 んでまった、この東京芸大つうのが、ある意味、東大より難しい大学だもん。いわば超エリート相手に教えるわけだ、たけし君は。

 しかし、監督業として一にも脚本二にも脚本なのは、黒澤先生も言ってた通りなんだけど、たけしが脚本、チェックねえとちょっと苦笑してしまうのは私だけか。 だって、脚本がうまい監督じゃないじゃないのさ。君自身が、ちょっとプロんとこ行って勉強し直してこいと言いたくならないわけでもない、彼の映画を観ていると。

 んでも、東京芸大だわ、「世界のキタノ」だわで、なんかすっごく衒学的な、ゲージツテキなもんになりそう。「現役の第一人者を教授に招き、映画製作のための実践型の教育を行う」という基本理念、だそうだけど、タケシ、全然、儲けてないんだよなあ。

 この試みにケチをつける気はないし、どんどん広がって欲しいけど、実質的に金もそこそこ儲けてて、評価もあって、何よりつまんねープログラムピクチャーでもちゃんと撮り続けられる人(向こうの新人監督にはトーゼンの経験だが、日本の「独創的な」新人さまになかなかできないことね)が、しょぼい映画専門学校の講師で、北野武が芸大の先生様、つうのはなんかなあ。いかにもいかにもって感じだわ。

 在米の知人の元旦那がNYUの映画学科出てるんだけど(それでlawyerやってるんだから、アメリカは面白い国だ)、彼の話じゃ、向こうの映画学科には「いかにして、映画のエの字も知らない人から金をぶんどるか」という講座もあるそうだ(彼曰く、「弁護士やってるのも映画撮るための金とコネ作り」だってさ)。これも、監督には必須の技術なんだけど、日本じゃ、学科ができたにしても講義中の余談になりそうな気もする。 
 なんせ「純粋な」「本質論」が好きだからさ、日本の象牙の塔は、未だに。
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by acoyo | 2005-01-25 17:49 | 映画・ドラマ | Trackback(1) | Comments(11)
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Tracked from web-tonbori堂.. at 2005-01-25 21:46
タイトル : たけしが教える内容って
東京芸大出の映画監督っていたっけ?(学芸大なら知ってるけど) えー記事にTBしようと思ったら既に先を越されていたのでTBさせていただいます、ハイ(^^) くしくも昨日同じ記事にTBをたてたトレバー・ジョーンズとウィリアム・M・アンダーソン氏でも触れたけれどたけし映画ってのは結構諸刃の剣で何が出るか解らない、現場でのインプロヴィゼーションによった撮影方法が取られていると聞くんだけれどそれって教えられて解るものかいな?ということがまず一つ。そういうものはセンスってものが必要で教えられてどうこうってもの...... more
Commented by belltone at 2005-01-25 18:24
本質は、その事が好きになってしまえば、放っておいても勝手に習得するもんだと思いますが、なかなか授業として面白味に欠けるんでしょうね、本質論がないと。実際に「映画を撮る」という事を「続けることができる」技術ってのは、教えてもらわないとなかなか習得できないもんだと思います。それができないから、みんなあきらめちゃう訳で。ロジャー・コーマンの自伝のタイトルを実践しようと思ったら、やっぱり技術がいりますもんねえ。
Commented by princess_in_blue at 2005-01-25 18:34
試みとしてはありきたりw
たぶん、北野武の「芸人としての計算力」を再確認するだけで
終わってしまうような気がします。
感覚だけで撮ってるように思われるけれど(「天才」とか、ね?)
作品の出来不出来はともかく、あの人はものすごく頭使ってますね、
きっと。
ただ長い作品はちと見るのがツライんですけど・・・・
やっぱり魅力は「芸人の瞬発力」なのかしら??

ただあの「青(キタノ・ブルーw)」は大好きです☆
Commented by jaguarmen_99 at 2005-01-25 18:53
偏見でしかモノ言えないけど、自分はあの人には芸人でいてほしい、っていうのが有って、映画始めてからすっかり色あせちゃったのが寂しいですね。ンー、こうしてお話を伺うと映画ファンじゃなくとも映画という文化の価値が下がってるんじゃないか、という気がします。
Commented by PiuLento at 2005-01-25 19:41
私もjaguarmenさんに賛成です。
いつの間にか偉くなっちゃって、知識人・北野武は つまんないです。

あと、「映画のエの字も知らない人から金をぶんどるか」って本当に必要な技術ですね。映画以外に、事業を始めるにしても、そうですね。
Commented by ottima at 2005-01-25 19:56
北野武の映画って見たことないんで、無責任コメントですんません。
たけしでもキヨシでも、どんどん呼んで「現場重視」の風を送りこんで欲しい!どケチの母校なんで。
苔の生えそうな教授陣ばっかりでしたもん、昔は。
Commented by KAZZ at 2005-01-25 20:05 x
たけし効果?で13.7倍~微妙な倍率ですね。
専門的に映画を勉強するシステムって日本に合うのでしょうか?
わかりません・・・

黒沢清も講師に名を連ねているようですが、彼だって立教大の映研~ピアフィルムフェスティバル、って流れで映画作ってるよね。
北野武に至っては、深作を追い出してテメエで撮って、監督のクレジット。
映画のお勉強でなく、それぞれの現場で経験して撮ってるよね。

その学部では是非プロデューサーを育てて欲しいね、脚本を読めて書ける。
Commented by forest-sea at 2005-01-25 20:36
まあまあまあ、2年後にどんな新人さんが出てくるのか期待しましょうや。
しかし、今は辛いわな。処女作でインパクトがないと、後が撮りにくいから。
熊切監督なんかは、そういう意味ではお利口さんでした(あ、あの人はそのまんまか?)。
Commented by night_heron at 2005-01-25 22:33
飽きる程、うんざりする程に反復して、目をつぶっても最低レベルの品質は自動的に出てくる状態になってから、オリジナリティなんてもんを出して欲しいですね(だから専門家は尊敬されるのに)。
中途半端な独創性はただの独りよがりにしか思えませんです。話題作とか、意外な人の意外な才能とか、そんなもん端から見たくは無く、世界の北野だろうがなんだか知りませんが、北野武の座頭一は稀に見る愚作だと私は思っております、はい。
最近、何処の世界でもプロとは思えない半端なオリジナリティとか独創性とかに溢れているので、ちょっと厳しめ (w。
Commented by acoyo at 2005-01-26 02:32
>belltoneさん
「本質論」が全部悪いとは言いません。でも、ここまで大学が大衆化した以上、人気取りでない、ホントに実践的な学科が欲しいなあと。
ほんで、ロジャー・コーマンの伝記は最高ですね。

>princess_in_blueさん
ええと……たけしは好きです。キタノ・ブルーは好きです。「この男~」と「ソナチネ」は好きです。後は……(麦藁)。頭がいい人なのは確かですね。ある意味その頭のよさが邪魔してるのかもしれない。ほんで、大学の意図は「話題性」の一点ですからねえ。

>jaguarmen_99さん
たけしにとって「芸」ってのはそんなにレベルの低いもんだったのかなあと考えたこともあります。監督北野武はまだまだこれから(があるかもしれない)の人でしょう。
 芸大の教授さんの考える映画ってのが、邦画の将来に関わることとどうもなんかずれてるなあってのが正直な感じです。
Commented by acoyo at 2005-01-26 02:32
>PiuLentoさん
元から、「文化人」受けのする、そっちへの志向が強い人でしたが、たけしは。
「金集める技術」というのはプレゼンテーションの技術なんですが、日本では何でも「体で覚えろ」ですから。これを「就職セミナー」とか「就職予備校」で「やり方」だけ教えるんじゃなく、ちゃんと応用の利く考え方を系統立てて教えることを学校は考えてもいいと思う。だって、プレゼンテーションってのはコミュニケーションでしょう?

>otimaさん
か、か、かあさん、東京芸大ですかあっ?! ああ、権威に弱い血が今沸騰してまして、何かバカなことを言わなかっただろうかと(藁)。まあねえ、東京芸大の教授となれば、「人生、上がり」以外の何者でもないわけで、黴も苔も安心して生やせるというもの。

>KAZZさん
今のハリウッドを大学出がダメにしたのも事実です。ですが、前にも書いた通り、スタジオの徒弟制度が消えちゃった以上、それに変わる教育が必要で、そこには権威も必要だと思います。本気で教えれば、どんな学問も「机上」で済まないのは確かで、問題は日本の高等教育従事者の根性だという気がするんです。それが「純粋な」「本質論」(藁)。
Commented by acoyo at 2005-01-26 02:33
>forest-seaさん
そういうことですね、ふふ(意地の悪い笑い)。その処女作のインパクト引き摺りが、気づけば「意外性と話題性だけの映画作り」につながってる気がするんですねえ。以下↓へ。

>night-heronさん
そうなんです。個性は受け取る側が判断する結果であって、最初っから押しつけるものじゃないと思います。オリジナリティだの個性だの、んなこと言う前に、「最低ちゃんとした映画」を作れよ。独創的かもしんないけど、誰も見ない映画作るなよ、話の破綻まで「お約束」にするような映画作るなよ、と。
専門家性というより、「職人」ががしがし居ないんですわ。天才なんて一人でいいけど、どんな産業でも職人は腐るほど欲しいものなのに。