『ロリータ』 ジェレミー・アイアンズ、独り勝ちしてどうする。

 まず、言いたい。
「これ、ナボコフに忠実な映画化ってことだけど、じゃ、あの20世紀の文学的イコン、小妖精(ニンフェット)つうか、ロリータってのは、何のこたない、コギャルかい。

 んなもん、渋谷で地引き網しかけりゃ千匹単位で捕れる……と言ったとこで、そりゃ、おじさんはコギャルが好きだもんね。それに、J・アイアンズといえば、「恋に堕ちてく狂気」の代名詞みたいな役者だもんね。(だから夜中の3時まで観てた、ムーヴィ・プラスchで)
 だけど、監督はエイドリアン・ラインときてコギャルとくれば、グロテスクもエロティシズムもあったもんじゃない。、単に下世話にいやらしい、になるの。(ミッキー・ロークとキム・ベイシンジャーのときは、その下世話さがそそったけど)
 これが相手もそれ相応なら(良くも悪くも「フランスの大竹しのぶ」、ジュリエット・ピノシェとか)、「魔性の女」と「堕とされる男」の哀切きわまりない構図ってのが生まれたかもしんないけど、どう見てもビバヒルの妹役。あのねえ、「魔性の女」と「頭悪い女」は違うの。「魔性の女」と「根性悪の女」はもっと違うの。
 
 これじゃ、おじさん、壮絶な空回り。80年代を引きずったソフトフォーカスな画面の中で、ジェレミー・アイアンズの常人離れした下降エネルギーが無駄に暴走。「もう監督も俳優も誰も映画支える気がないなら、俺が一人でやったるー」とばかりに、後半は、何もかもおいてどんどん遠くへ走る走る走る走るの独走状態。ああ、もうロリータなんて見えないところまで走ってったあ……と、私はTVの前で笑い転げていた。

 何で、愛しのジェレミー・アイアンズのご尊顔を眺めつつ、笑いすぎて涙流してなきゃなんないのか。いや、「それなりに」正統派悲恋だったのがいけないのね、きっと。やっぱ、ジェレミーおじさんのエロスは、クローネバーグ系の「イロモノ」「キワモノ」で全開させてもらわないと。観てる方も収集がつかなくなる。
[PR]
by acoyo | 2004-09-14 20:23 | 映画・ドラマ | Trackback | Comments(2)
トラックバックURL : http://acoyo.exblog.jp/tb/258634
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by past_light at 2004-09-15 02:09
ロリータというとキューブリックは観た記憶あるんですが、
そうですか、あのエイドリアンが撮ってますか。
エイドリアンというと、ロッキーが連想されて、ロッキーというと山脈・・。

下世話で嫌らしい、というとこの監督のモノはそれが持ち味なのかも知れませんね。

リンクありがとうございました。
リンクって、どうするのか、やっとつかめてねこちらもさせて頂きました。
今後ともよろしく。
Commented by acoyo at 2004-09-15 02:27
こんばんわ~。
キューブリックのは前にビデオか何かで見て、結構、好きだっと覚えています。というか、あの頃は、「私もこーゆーふぇむ・ふぇたるっつうのになるのだわ!」といたいけに気負う年頃でしたから(笑)