ジェンヌな感性とジェンヌな結婚式に彩られた街
ジェンヌとは、某国民的歌劇団が団員を呼ぶ呼称である。
ファンでもねえのに、んなことを知っているわたくしも、所詮は幼稚園の大きい組以来、その歌劇とごくごく一部の高級住宅街のことしか世間には言いふらしたがらない街で暮らしておるからには、いろんな感性がバカになっておると思う。
なんせ市庁舎にはアールヌーボーまがいのベランダがついており、市警本部までそれを低予算で真似てみせ、市民の7割が「スミレの花咲く頃」が歌えるのだ(今は知らんが、昔はですね。「文化教室」てな名前で、全校打ち揃って歌劇のゲネプロを見るという学校行事があったのさ。無論、無料)。どこの駅前商店街にも一つは、ぎったぎったのどピンクとど紫とレースでコーディネイトされた店があるしな。
そんな風に、とにもかくにも「乙女属性」がプライマルな街。よそから来た友達はびびるけどさ、わたくしなんかもー平気だもんね。もー精神汚染されちってるもんね。
↓ツヅク
私が親の懇願に負けて地味な披露宴*1をやった地元のTホテルじゃあ、今、ジェンヌな結婚式をぶちあげておるらしい(正式名称は違う)。ええ。バンケットルームに舞台を作って、照明から装置、ウェディング・ドレス(無論、娘役風に仕立てるのだよ)まで歌劇団のプロを呼んでるんだって。
舞台は歌劇団の専用劇場「宝塚大劇場」でのフィナーレで知られる電飾付きの「大階段」を模した作り。照明は実際のショーで使われる装置で、「ベルサイユのばら」など代表作品の曲に合わせ、色とりどりのライトが照らす中、新郎新婦が大階段を下りて高砂席に着席する演出も可能だ。写真はこんなの。背景色にはスミレ色をあしらってみました。
(阪急電鉄広報誌ENAKより)
ちょっと見にキャバレーっぽいのは、オリジナルのゴージャスさも実はその程度だから仕方あるまい。無論、例の背負い羽根やリボン付きブーケ「シャンシャン」はレンタルできる。
しかし、ロケットダンサーの仕出しはできるのか。ジェンヌの夢の大階段、○組トップの醍醐味ってのは、段々にひしめく踊り子さんたちが、あたかもモーゼを前にした紅海のごとくさあっと道を空けた中、女王の如くしずしずと、しゃんしゃん手拍子足拍子、厚いマスカラ睫で風起こし、一足ごとに見栄切り流し目送りつつ降りて来ること、でしょうが。新郎と新婦が二人で地道に降りて来たってなーんにも楽しくないぞ。寂しくなるだけではないのか。第一、段数少なすぎ、傾斜浅すぎ。これじゃ「演歌の花道」レベルだ。
とはいえ、毒をくらわば皿まで、どーせやるなら全力投球で願いたい。「愛~ それは~悲しみ~♪」(何でこんな歌知ってるかってっと、市民の嗜み)とかまぶゆく輝く(だけでなく花だのリボンだのでこてこての)マイク持って謳い上げつつ、途中で音楽転調させて二人でタンゴとか舞い踊ってくれよ~。なあ~。
パッショネイトにのけぞったはいいが、背負い羽の重みで腰いわしそな新婦を、はっしと抱きとめる気の弱そうな新郎、そういう絵が欲しいの。何、うまいへたはよろしい。某巨大芸能プロ同様、日々あんだけレッスンして歌も踊りも今ひとつなのは何故?が、あの歌劇団の特色だから気にすることはない。最低限必要なのは、オーバーアクトを恐れぬ心と並外れた化粧の濃さだ。
来年5月までの限定だからやりたい人は急いでね。招待してくれとは言わんが、よければ、是非、廊下から覗かせてもらいたい。
……まあさ、まあそんなもんだよね。何せ、マンホールからしてこれなんだもん、うちんとこ。
ああ、ほんとおたれでリリカルだわ。「清く正しく美しい、○○乙女」(某歌劇団のモットー)のトイレの水が流れてるのに相応しい蓋だわよ。もういいけどさ。何とも思わないけどさ。ただ、このマンホール蓋にせよ、電飾階段付き披露宴にせよ、んなもんを「ステキッ★」と喜んで、周辺市に触れ回る一部住民についてはいかがなものか。
大多数の善良な市民は、少なくともわたくしは、「なかったことー」にしてスルーするか、あるいは笑かしに使うしか能がないと見なしておると言うのに。
*1 そこでは、あくまでも「華やかさ」を追求するホテル側との三ヶ月にわたる熾烈な闘争があった。敵もさるもの、最終的に痛み分けに持ち込みやがったが。
私の部下は来月札幌で行われる披露宴に札幌でした知られていないSoulsinger~Vikky Vie嬢に歌って貰うそうです。
これはあり??
私の妹の時は縁起物で「餅つき」(新郎のオヤジの提案)。
ま、結婚式では何でもありって事ですね。
でも気になる*1の詳細・・・、ってくどいか><;
地元にあのような強烈な歌劇団があれば、いろんな意味でネタにしないわけにはいかない...ということになりますよね(^-^;
自分だったら、お式までにここまでテンション上げられるだろうか、不安になっちゃうよ(笑)。
でもどうせなら、どっかの大富豪の孫娘あたりが、本物の劇場と踊り子さんたちでやって欲しいものです。
そしてわたし昔そういうマンホールのデザインの仕事やってました・・・!!びっくりした。
ましてや正面からスポット当てられ足元も見ずになど手を引いてもらっても大コケ間違いなしです(特に新婦)。
それが誇れる文化かどうかは別として、そういう芸があるっていいなぁと思います。
かの阪急創設者小林翁が完全に狙って作った町ですからねえ。そりゃもうそれがスタンダート&歌劇団クォリティってもんです。
この下を流れている水はスミレ色のような気がしますです。
横レスぎみですがzaziesさんコメ『体はってウケ狙いはできても、金かけてウケ狙いはできません!』爆笑です。
私は、体はるのも微妙ですけど…。
*1の詳細? 単に金のなかったこっちとちょっとでもむしりたいあっちってな話ですが(藁)いずれおりがあればHPの方にでも。
札幌でしか知られてない? 可愛いじゃないですか、うちの義弟の結婚式(某ホテルのプラン)にはたった3人のゴスペルコーラス(それも黒人のw)がつき、チャペルに空しく響きわたるHappydayでさあ盛り上がれと言われても、私は留め袖だし、回りはそんな歌知らないしで、ため息が出ました。
★loroさん
蓋だけ見てれば確かにキレイなデザインと私も思うよ。でもな、うちの近所の街灯はあまりに数が足らないままなの(藁)。市にはそれとこれと優先順位を考えて欲しいの(涙)。
★mushさん
えへへ、*1については期待しないで待っててください。そうです、あの強烈な歌劇団はネタの宝庫です。でも、いろんな事情を説明しなければネタが起こせないという、かなり特殊な集団なので(藁)。
★jaguarmen_99さん
文化に寄っては葬式の方が遥かに盛り上がる、というのがありますね。私はむしろそっちの方がいいかなあと。しかし、ホントに、これは実況中継が欲しいなあ。つことで↓
「細雪」で名を馳せた阪神圏神戸よりの街街を舐めてはいけない。大はつかんが富豪は結構ごろごろ居るのよ。んで、そういうご家庭は親子三代、熱心なヅカファンだったりするのね。
大歌劇場借り切ろうとする奴が居ても不思議じゃないね。何せ、ジェンヌのタニマチやってる家も多いし、娘の結婚式に招待して歌歌うってもらうよくある話なんだよ。
★wake1さん
そうか、じゃあ、やろう、二人で。wake1さん、200万+諸経費用意してくれ。私はこれから三ヶ月、エステに通いダイエットしてついでに↑のjaguarmne_99さんのご指導の下、トレーニングに励み、あなたをお姫様だっこできるように体を鍛えようではないの。ほんでもってオスカル様やるー! 無論、あなたは「わたくしはフランスのじょーおーっ(声が裏返るのがポイント)」マリー・アントワネットよん。ああ、二人で社交ダンスのレッスンにも行かねばなるまいな、ああ、忙しい。
★samuge_nikukyuさん
おお奇遇な! しかし、このマンホール、その道では有名だそうです(同居人曰く)。「さすがT!」みたいな素直な褒め言葉もネットで散見しました。……嬉しくない。
実際、ジェンヌたちも怖いそうですわ。何せ、10センチ近いヒール履いてたりもするし、落ちたら大怪我だし、慣れるのがたいへんという話で。ホントにあれに近いもの導入するなら、新郎新婦はそれこそ、半年前から中山寺の参道の階段で自主取れする必要があるかと思われ。ちなみに、あの大階段システムはおパリのショーからの輸入だそうです。単に向こうがとっくに止めてるのを、こっちじゃ伝統芸にしたってことかもしんない(藁)。
★zaziesさん
ありましたなあゴンドラだの空中遊泳だの。何遍着替えるんだ花嫁ってのもありました。
>体はってウケ狙いはできても、金かけてウケ狙いはできない
爆藁ってのはまにゃーなさんに言われちったなと(涙)。うちはTVで中継なんかみてると、同居人が横でびびってます。けど、母は、今もよく出かけます。ええ、必ずチケット抑えるヒトが、あの年頃の集団には必ず一人は居るの。
★tonbori-drさん
小林翁が「受け狙って作った街」。座布団10枚! なんで某電鉄の初代社長の名を、全市民が知っているのか(涙)。あの方は「関西の田園調布が作りたかった」そうですが、そりゃあ夙川とか芦屋のことでしょ?と。
そう、スミレ色の排水です、T市じゃ下水に色つけるんですってのは嘘ですが、一部地域にこんなマンホール作ったりアンチークな街灯作る前に、全市に下水整備しろ(これはマジ)。
体張る事に関しては……それでお金になるなら考えるなあ。それこそ、ワイン一本飲み干して全てを忘れて挑むかもしれないわ(藁)。