「奥さん、ほれ、ジュード・ロウ! 今日も安いよ、お買い得だよ!」

 何かとb0016567_18475879.gifぱくりで名の高い「スカイ・キャプテン」(小泉、国連でがなるついでに文句言ってこい)、それにも出ているジュード・ロウ。はい、あの英国きれいどころ俳優。
 正直に言おう。私は前々から、雑誌などで、「上品な英国の貴公子」として、彼の名が出るのが不思議であった。そういう使われ方に疑問があった。美貌は認めよう、スタイルも認めよう。芝居もなかなかだ。だが、
 上品って、どゆこと? 貴公子って、なんのこと?
 イギリス出身で美形とくりゃ貴公子か? いつからそういう公式ができた? (そして、何でかそこからゲイリー・オールドマンは自然に除外される。何で? 元は美形よ、あの人)  ありゃ日本美人=ゲイシャと同じくらい、想像力の貧困のなせる業だと思うぞ。
(後、パツキンで目が青けりゃ王子様ってのもある。デカプー騒ぎの時はほんとに不愉快だった。何か、最近の王子様は隣に住んでるのか? 最近の王子様はほっぺたぶくぶくか、そんであんなに気安い存在かと、盟友ヨーコと憤慨しあったものだ)
 
 上品とは「野暮」につながる。王室の純血種の方々を見ればおわかりであろう。ある種のイギリス映画がどっか野暮ったいのはそのためだ。(だけど、その野暮がぐるりと回って前衛に行ったりするから、あの国のものは侮れない)
 対して、「粋」は街のもの、ストリートで生まれるものである。だから、「粋」は下品と仲良しです。そして街っ子は山の手を「野暮」と嗤い、山の手のお嬢さんは彼らを「下卑らしい」と見下しつつ、憧れるわけ。(ここで、シックとエレガンスの話を本格的に始めると、ドゥミ・モンドの話とかしなきゃいけなくなるから、パス)
 
 で、ジュード・ロウは野暮じゃない。粋かと言われると、「ううん……時々ね」と答えざるをえないが、でもまあ、絶対に野暮じゃない。ゆえに、彼は上品ではない。証明終わり。

 彼を初めて見たのは「オスカー・ワイルド」だった。ワイルドのお稚児さん、「才能溢れる作家を穴に蹴り落とした、顔だけよくて頭空っぽの貴族*1」ポージーを演じる彼の、美貌をひけらかすスキルにまず感銘を受けた。特に、ワイルドに宝石かなにかプレゼントされた時、まず、ウッソー?とお目目をきらきらさせ、次につけてみて、ヤダーッ、ステキーッてな風にうっとり瞳を潤ませる、その露骨さにはほとほと感じ入った。(後、泣いて見せてのおねだり、とか)
 魔性と呼ぶにはあまりに見え見えで、奥床しさのかけらもないこの手管。私は思ったね。こいつ、水商売に入ったら必ず指名ナンバー1を取るな、二年で店が持てるよ。(ただし、絶対に銀座でも北新地でもないけど)
 これで相手が上品な美中年なら、その安さが浮いてしまうところだが、運良くも、ワイルド役のスティーブ・フライは地味で堅実を絵に描いたような役者なので、映画はおさまりよくまとまっていた。(ポージーの、「あんた、まさか、自分のこと賢い思てる?」と突っ込みたくなるところもちゃんと出していたから、ロウ君、ホントに、役者としちゃ悪くない)

 私は早速、ジュード・ロウって安くって、ぐー、と盟友ヨーコに熱く語った。ヨーコは、おうよと答え、ありゃ演技じゃないね、あいつの個性だよ、目つきが卑しいんだもん。んでも、色香を売り惜まねえのは、電話一本でお売りしますって気安さはいいねえ。
 そこで、私たちは敬意を込めて、彼を「品川の宿場女郎」と命名した。
 決して吉原でお職はれる花魁ではない、荘園屋敷の温室で丹精こめて栽培される、高貴な薔薇の蕾でもない。だが、この逞しく咲き誇る、コープ一束200円の開き切ったどピンク(さくらクレヨンのもも色)の薔薇の花を、格子女郎の気安さを、誰が否定できよう?
 少なくとも、私やヨーコには、韓国製メガネ君よりずーっと面白い俳優だ。
 
 以来、無責任にいい加減に彼を見守り続けているわけだが、どうも役に恵まれていない感じがする。よかったのは、ハーレイ・ジョエル=《いじめる? いじめる?》=オスメントと共演した「A.I.」のジゴロ役と、未だホモ疑惑が去らぬK・スペイシーと組んだ「真夜中のサヴァナ」の似たような役くらいだ(藁)。いや、別に、彼が女(男)こまし専用と言っているのではないが、どちらも映画としては失敗だったにも関わらず、ジュード・ロウについては本来の品の無さを堪能できたから、よかった(褒めてるのよ)。さすがアカデミー監督二人は彼の真価がわかってる。クローネンバーグのは見てないが、どうよ?
 「コールドマウンテン」もいいけど、ロウ君には彼にしかない蓮っ葉な色香があるのに、ニコール・キッドマンと大恋愛なんかやらなくてもいいやん。んなもん、最近、背中のニキビも直し、スクラブ洗顔でさっぱりしたユアン・マクレガーに任せりゃよろしい。
 
 んで、「スカイキャプテン」はといえば、私はイイのではないかと思う。ジュード・ロウのお人形顔ってのは、ジュノーのアンティークドールつうより(ほれ、お品がねえ……)、バービーちゃんのBFって顔だから、最近の大バジェットのSFって合いそうだと思うんだけど。
 
*1  貴族=上品ではない。近親交配と労働の必要性の薄さのせいか、極めつきの馬鹿も多い。結構下品なのも居る。私見では、故ダイアナ妃もそうだったと思う。
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by acoyo | 2004-09-27 18:56 | 映画・ドラマ | Trackback(1) | Comments(8)
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Tracked from befounddead at 2004-11-02 01:04
タイトル : 生グウィネス見ました。
先日の話ですが、こんな映画があるってことも知らなかったし知っててもたぶん行こうとは思わなかっただろうって程度の映画を見てきました。東京国際映画祭。理由はヒマだしタダだから。なんか彼氏の会社が金出してるらしく、招待券がもらえたのでちゃっかりついていっちゃいました。 ほんとはジュード・ロウが舞台挨拶に来るらしかったんだけど、家族だか親戚だかの問題で来れなくなったらしく。そもそも舞台挨拶つきってことすら知らなかったわたしなので、そんなことはどっちでもいいんですが、会場にいた人たちは結構大ブーイングでし...... more
Commented by kashimaru122 at 2004-09-27 19:02
はじめまして かしまるともうします。
ジュードロウ。かっこいいですねえ。
でもかっこよすぎて、渋い役より主役格になってまう。
そんな中、彼の作品でよかったのは「ガタカ」がよかったなあ。
レビューしてますんで、是非ガタカみてくださいまし。
Commented by romeron at 2004-09-27 23:28
よ、待ってました!
カイルたまもそうだけど、彼も役に恵まれないですね
ほんと。俺が監督だったらすっげぇ下卑たいやらしい
役振ってやるのに!と一人歯噛みしたりしなかったり。

>バービーちゃんのBF

言い得て妙でございますよ。顔の造作で言ったら
ロバート・カーライル辺りと変わんないじゃん、と
思うですよ。
Commented by acoyo at 2004-09-27 23:42
>kashimaru122さん
 はじめまして~♪ リンクありがとございます。こっちも早速させていただきます。「ガタカ」、機会があったら見せていただきます。

>romeronさん
ムチ打ちは治りました(藁)。
カイルたんは、私にとってある種「マヌケな上品」の塊で、だからあざとい役やるといいと思うざんす。いわば、ジュード・ロウの逆ね。
ロバート・カーライルは、な~んか「薄幸」が似合う男じゃないっすか。あの人こそ、昼メロのいびられる奥さん役が向くと思うんすけど、どう?
Commented by k-nsh at 2004-09-28 10:07 x
ジュード・ロウもacoyoさんに滅多切りかぁ・・・ちなみに私好みでないんでどうでもええんですが、ジョニィ・ディップはいかがですか? 私は一時好きでした
Commented by acoyo at 2004-09-28 10:37
滅多切ってないぞ。好きだって言ってるじゃん(藁)。いかんの? こーゆー愛し方。J・ディップはいいっすよ。薄汚な目でメガネかけてるのがぐー。
Commented by yaling at 2004-10-02 12:37
っていうか、ホアキンフェニックスとジュードロウの区別が未だにつかないんですけど…。トビーマグワイヤとイライジャウッドとエミネムが三つ子に見える時点で自分でもどうかとは思っているのですが。
どうすれば、よいのでしょ~ぅか!オヨヨ
Commented by acoyo at 2004-10-02 13:25
ううん。ホアキンとジュードロウはいい線かも。でも、トビー君ととイライジャとエミネムは違うかも。
トビーはお目目うるうる系でイライジャはぬいぐるみでエミネムは……それ以外つうことで(藁)。マジな話、個人的にはエミネムの顔が一番、フィルム映えするなあって思うですけど、どうでしょう?
Commented by yaling at 2004-10-03 17:38
エミネムが一番なのはそう思います。そうなるとトビーが最下位?
まぁキルステンダンストの相手役だから仕方ないですけど...。
昔ウチの親がシブガキ隊もたのきんトリオも同じだって言ってるのを
「なんでそんな違いもわからんのかんぁ」
なんて思っていたのも、いまはむかし。ジャニーズの名前なんて
すっかりわからない歳になってしまいました。