指定型バトン:梁朝偉(トニー・レオン) 「雨に濡れた段ボールの中の子犬」

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指定型バトン(かたすみの映画小屋)

 

 santapapaさん
からもらった指定型バトン。お題はトニー・レオン 梁朝偉(りょん・ちゃうわい)、通称偉仔(わいちゃい)。ケイトに続いて景気がいい(あ、韻踏んでる)。

 と・こ・ろ・で、最初っから余談ですが、前に興奮して書いた、The Battle of Red Cliff 「赤壁の戦い」ざんすが、そう言えばと思ってIMdbを覗くと、キャストが出てましたわっ。
Yun-Fat Chow .... Liu Bei (in talks)
Tony Leung Chiu Wai .... Zhuge Liang (in talks)
Andy Lau .... Zhou Yu
Ken Watanabe .... Cao Cao
Collin Chou .... (in talks)

 劉備が周潤發で梁朝偉が諸葛亮でどっちもin talks。いっとき、周潤發が周瑜つう情報も流れたが、やはりアンディ周瑜か。どうもおさまりよすぎで毎度笑える。
 んで、わたくしは今もなお、祈りを込めて、このin talksが消える日を待つぞ……実は「三国志」じゃあ、劉備も諸葛亮も大嫌いなんだけど。偉仔、簾付き冠は止してね。
 後、劉偉強との新作もクランクインのようだし(共演金城)、王家衛ともまた組むみたいだ。前者はわくわくだが、後者は「……二人ともいろいろ考えてはどうか」(爆)。

 つうことで、今回のバトンのルールは以下の通りです。
・廻してくれた人から貰った『指定』を『』の中に入れて答える事。
・また、廻す時、その人に指定する事。

 以下、またしても大長編の本文。↓ツヅク



■最近思う『梁朝偉』は?
 見逃してた『ファイティング・ラヴ 同居蜜友』をケーブルで見て、まあ、ただの「ラブコメ」だけど、デート映画が苦手の私が、最後まで観てられるのがメイド・イン香港の技。スターシステムの健全さ+描かれる人間関係の湿度の低さ、風通しの良さによると思われ。
 最低最悪の出逢いの二人が大喧嘩しつつ、てな安心のお約束。偉仔は牛モツ煮込み屋チェーンの大将で、堅実な成金ぶりがナイス。さらに女二人に挟まれておたおた、と得意の「優柔不断で勘が鈍い」とこを遺憾なく発揮。最後は「実は健気」な方に引き摺られて……と、丹波屋の味噌だれ餅食いながら観てると、とても心和む。相手役の鄭秀文(サミー・チェン)のいかにも広東女な強気っぷりも快適。
 何せ偉仔が「いい映画」に出てる時ってのは概ねふられて石鹸相手に愚痴ってたりウォークマン相手に嗚咽してたり、死んだり殺されたりだから、優柔不断でも何でも生きて栄えて嬉しそうな顔見てるだけで、こっちも「よかったね」ってとこで(爆藁)。

■この『梁朝偉』には感動!!!!
 そりゃ『ブエノスアイレス 春光曳乍』カンヌの主演男優賞受賞者取ったのは『花様年華』だが、本来ならこっちだよな)も捨てがたいが、やはり今んとこ『インファナル・アフェア 無間道』ですかね。

 ただ、私、これ、情報入れずに見たのよ。でも、画面に出て来た瞬間、「あ、偉仔、また死ぬわ、また殺されるんだわ、畜生」といういやんな確信が(爆)。
 いかん! 感傷に引き摺られてはいかん、一映画ファンとして観ねば!と心しつつも、アンディ・ラウの顔見てるとつい「あんたが死ぬってことでどうだ?」とか頼みたくなるし、すると、ずーっと眉間に皺寄せ続けてた偉仔がふと笑顔をみせたりしてさ。
 あれよ、santapapaさん曰くの「雨に濡れた段ボールの中の子犬」(絶対に柴の雑種)が尻尾振ってるよな顔で笑いやがるのよ、あの四十男が。もうこっちは理性吹っ飛んで、「笑うなっ! 見てるこっちが辛いだろう!」と叫びたくなって、心は千々に乱れた。
 後、違う意味での「感動」と言えば、もう、

 『大英雄』(santapapaさん)

 ……どうして、『インファナル・アフェア』よりフォント数上げちゃったのかしら。ともかく、そういう映画なのよ。私は一生忘れないぞ、あの『幻の湖』と並んで。

■直感的『梁朝偉』
 これは前も書いて真面目なファンの方に怒られもしたけど、それでも、森と海さんの名台詞(著作権使用許可済)に尽きる。

「目だけ印象的な貧相顔」(あるいは「眼力のある貧相顔」)

 偉仔を最初に観たのは『悲情城市』、口のきけない四男役だった。マミーと観に行き、親子揃ってその後数年、候考賢時代に突入した。んで、そんときはまさに梁朝偉? Who?だったけど、まあく引き込まれる芝居だった。終盤近く、駅に家族三人で立ってたとこは胸抉られそうで、マミーも「あの目がしばらく忘れられなかった」と言ってる。偉仔、まだ20代半ばだったんだな。
 候監督が、台湾語喋れない偉仔のために、わざわざ脚本を書き替えて役柄変えてまで出したのも、あの目に惚れたからだしさ。諸国諸大名は弓矢で殺し、梁家の偉仔は目で殺すぅ♪

■好きな『梁朝偉』
 『インファナル・アフェア』『ブエノスアイレス』という勝負球は外して、

『ロンゲストナイト 暗花』(参照:森と海さん)
 杜琪峰(ジョニー・トー)製作。香港ノワールの隠れた傑作。最近、DVD手に入れるまでビデオは宝物だった。確かキャッチが「これだけダークなトニーは観たことがない」。その通り、あの「人前じゃ気張ってデザイナーもん着てるけど、実際は、昼日中、パチンコ屋から出て来るのが似合うぞ、お前」な資質を使い切った、「嘘だろ?」と言いたくなるほど徹頭徹尾の汚れ役ぶりが圧巻。いやマジ。
 何より、劉青雲(ラウ・チンワン)の暴走寸前の芝居にうまーく食われてやりつつも自分の存在感はきっちり刻み、なおかつ観客に何の共感も与えずにみじめったらしく死んでみせる、というとんでもなく高いテンションで、なおかつそれを見事に制御しきった演技力に脱帽。主役の立場で、怪演してくる相手をうまく受けて、きちんと食われてやるのは、とても難しい。けど、それやらないと、全体が破綻するしね)。
 これからもっと観たいのは、むしろああいう偉仔だったりする。

『月夜の願い 新難兄難弟』(参照:santapapaさん)
 悲劇の偉仔を観た後は、この気安い下町の兄ちゃんのぬくさが恋しいの。バック・トゥ・ザ・フィーチャーのパクリと言われるが、ずっとドラマの出来はいいぞ。香港ハートウォーミング・コメディの佳作で、先にも書いたけど、「本質的なリアリスト」の広東人は、どんな甘い話でもびしっと一本筋通すから、ぬくくはなっても絶対に、ぬるくはなんないもん。

『欲望の街・外伝/ロンリーウルフ 洪興仔之江湖大風暴』
 ぶはははははは。『ブエノス~』の後にビデオで観た。パルムドールは結構だが、あの角刈りはさあ、と一抹の寂しさを感じていた折の「前髪はらり」だもんで、つい(爆)。とはいえ、暗い過去を胸に秘め、おいらクールなロンリー・ウルフ、でもホントは黒社会のぼんなのさ、路上の違法レースじゃヒーローで、愛車は黒のホンダCRXだぜ、牛刀奮って西瓜斬りの名人技もみせちゃうぜ、と「似合わん……」の連続攻撃には、笑いが止まらね
 まあ、黒髪の陰で、哀しく潤む黒い瞳を眺めてる分にはとても心地よいが、観てる時にシーゴラスが横に来ると冷や汗が滲むというスリリングな一作。無論、これはファンにとってのトホホでうふふな映画ですから、お薦めはしません(爆)。

『恋する惑星 重慶森林』
 偉仔の「優柔不断で勘が鈍く、一々戸惑う男」はここで完成したと思われ。それと王菲の妄想独走少女ぶりのアンマッチングが絶妙で、さらにCalifornia Dreamingと「夢中人」と来てもう盛り上がった盛り上がった(爆)。王家衛の「ゲージツなんだか感覚的なんだか、ともかくわかってやってんのか、おいおい」も、こんときはちゃんと映像マジックとして作用してて、良かったなあ、あの頃は(遠い目)。
 見終わった後、「ああ、『映画』を観たあっ。こりは大きな画面でないとダメ♪」とスキップしたくなる映画ってのがあるけど、そういう快作。大画面ってのは別に、どつきあいや怪獣やCGや血飛沫や火薬のためだけに必要なわけじゃないわけで。そうだ、タラちゃんも激賞してたわ。私とタラちゃんと家衛がお手々繋いで仲良く歩いてけた、古き良き時代の思い出でもあるのね。とほほ。

 『悲情城市』のことは書いたし……ああ、『欲望の翼』、ワンショットのみの出演も捨て難いと。

■こんな『梁朝偉』は嫌だ!
 こと香港俳優のファンやってると、懐は深くなる。も、『大英雄』を通り過ぎた後じゃ、何も怖くないぞ。香港ブリーフにだって慣れたぞ。どんと来い!
 敢えて言うなら、当人も興味無いと言っておるので安心してるけど、ハリウッドの大バジェットくそ映画で観るのだけは、いや。あ、『赤壁~』ってそうなるのかしら。いいもん、呉字森だもん。

■この世に『梁朝偉』がなかったら…
 横に座ってるシーゴラスを見て、「なんで、こいつ、偉仔じゃないんだろ」と哀しく考えずに済んだ。(まあ、他にも「なんで○○じゃないんだ」ってのは一杯あるけど)

■次に回す五人
 毎度指名する度胸が無いヘタレで申し訳ありません。んでもねえ、今回、お題だけ出します。別にこれ映画ネタではなくても、いいよね? いいと今決めた。
 つうことで、内輪的には指名したも同然の(爆)。
「大映ドラマ」「海釣り」
 お心あたりの方、お忙しいとは思いますが、お気に召したらお暇な時にでも(爆爆)。

 なお、同じように棒渡されたおともらち(爆)リンク
指定型バトン:西部劇(samuraiの気になる映画) 
指定型バトン:性格俳優(映画の心理プロファイル)
指定型棒『特撮』(web tonbori堂) 
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by acoyo | 2006-06-29 23:37 | 映画・ドラマ | Trackback(3) | Comments(13)
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Tracked from 日刊【考える葦】Retu.. at 2006-06-30 21:52
タイトル : **ロンゲスト・ナイト/暗花**
ここのところ、重い話ばかりでしたけれど、今日は違うよ、黒い映画。 いやあ、黒い黒い、人が死んでばっかり、裏切りあり、拷問あり、クスリとする場面なしの香港ノワール。製作時期は「男たちの挽歌」の後なんで、受け継いでるんだろうと思うけど、「男たち~」にしたって..... more
Tracked from piu lentoの日々 at 2006-07-02 15:09
タイトル : 指定型バトン:「大映ドラマ」
あこよさんからご指名頂き、バトンを引き受けます。 説明: このバトンは、決められた事項(■で始まる)に対して、バトンを下さる方が指定したテーマを(『』の中に)当てはめて書いていくものです。 てなわけで、本当に久しぶり(約1年2か月ぶり)の大映ドラマネタです。でも短いです。。。 ■最近思う『大映ドラマ』は? パワーダウンしているなあと思う。 大映ドラマの新作が少ないし、ストーリーの奇想天外さのレベルが落ちているように思う。 よみがえれ、大映! ■この『大映ドラマ』には感動!...... more
Tracked from かたすみの映画小屋 at 2006-07-02 23:29
タイトル : 指定型バトン
いつもお世話になっている「春巻雑記帳」のrivarisaiaさまから「指定型バトン」をいただきました。「指定型バトン」のルールは以下の通りだそうです。 ルール ・廻してくれた人から貰った『指定』を『』の中に入れて答える事。 ・また、廻す時、その人に指定する事。 いただいたお題は『トホホ映画』。おおっ、なんだか当blogの存在意義を問われるようなお題です(笑)。トホホな回答になりそうですが、喜んで答えさせていただきます。 ちなみに当blogの「検索ワードランキング」の1位は2位...... more
Commented by s/yumic. at 2006-06-30 09:10 x
偉仔ネタで、お腹いっぱいー。わーい。
暗花、DVDになったとわ。すごいな。
コアなファン、多いんだろうなぁ♪
Commented by kiyotayoki at 2006-06-30 10:25
実は「インファナル・アフェア」を観るまで香港映画の面白さもトニー・レオンの良さにも気づいてなかった浅はか者でした。これから遅ればせながら梁朝偉時代に突入したいと思います♪
Commented by bluegene at 2006-06-30 17:50 x
東洋人の顔の見分けがつかない私は、薄幸そうな二枚目ということでいつもレスリー・チャンとトニー・レオンをごっちゃにしてしまいます。

これ読んでるあいだずっと、「自殺した人だよねぇ?」と思っておりました・・・(--;;

ところで香港ブリーフってなんですか?
Commented by umaco at 2006-06-30 18:52
アンディとトニーつながりで「インファナル・デイズ」ってのはどうなんでしょう? こっちは随分前なんですよね?
Commented by 森と海 at 2006-06-30 21:59 x
「目だけ印象的な貧相顔」は熱心なファンの不評を買ったのか?そりはスマヌ。言い出しっぺとして深く反省するよ(ペコリ)。
やっぱアレだね。こうなったら日本企業のCMなどに出てもらうがいいな。まず手始めに”アイフル”のCMにでも出てもらえば、3日でクウちゃんのことなんか皆忘れてしまうゾ。(←ゼンゼン反省してない)。
Commented by tonbori-dr at 2006-06-30 22:16
まあ眼は口ほどにモノをいいといいますのでな(笑)
とはいえウー師父の新作『赤壁』ではカリスマ軍師。なんか『HERO』カリスマ書家兼刺客とびみょーにかぶる気が。それでも相当に期待しておりますデス。
Commented by jaguarmen_99 at 2006-07-01 16:34
いや、ごめんなさい。本当〜〜〜に分からないんです(ノД`)。でも良い男だなぁ、と思います。海猿とかこういう人にやらせれば良いのに。
Commented by santapapa at 2006-07-02 23:21
acoさまの梁朝偉に対する想いが読めてとてもうれしいです。ええもん、読ませていただきました。私のわがままなバトン、受け取っていただいてどうもありがとうございます。
『インファナル・アフェア 無間道』の梁朝偉の演技はピカイチですわ。やっぱりあのタクシーのところと逃走した時の目が、いろんなことを語ってます。さすが、いとやの娘。
『大英雄』は一生忘れえぬ映画です(爆笑)。生まれてきてよかったとさえ思います(^^;。
王家衞作品はともかくも(^^;、こうして見ると『欲望の街・外伝』(いや、まさにファンにはたまらん映画でしょう。私も好きですよ)や『悲情城市』など、まだまだエントリー挙げたい作品が。
Commented by acoyo at 2006-07-04 15:34
仕事でばたばたしていて、レス遅くなりました。ごめんなさい。

★ゆみたん
お腹いっぱいかあ~よかった~♪

★kiyotayokiさん
周潤發様がハリウッドに赴き、張國栄亡き今、当人も香港映画界を背負って立つ第一人者としての気合いに満ちておるようですので、時代に突入するにはいいタイミングかと♪

★bluegeneさん
自殺はしてない(爆)。それはレスリー(涙)。
私も長年毛唐男がよかったんですが、やはり同世代の西欧人男優と並ぶと20代に見えかねない肌の美しさ(爆)から、最近はすっかり「男はアジア」です。
香港ブリーフとはですね。他国ではTシャツ+トランクスが男の家庭の寛ぎウェアなんですが、香港映画ではそれがブリーフなんですよ。しかも、白のだっせえやつの割合が圧倒的に高く、高温多湿な土地で何考えてるんだといっとき話題に(爆)。
Commented by acoyo at 2006-07-04 15:42
★umacoさん
「インファナル・デイズ」?……あれもいかにも香港らしいというか、いろんな意味で(爆)。個人的にはとても好きですよ♪

★森と海さん
…………(←アイフルのCMの一言に笑いが止まらなくなっている)。
またもー、いじめっ子は爆弾投下する(爆)。いやあ、いいなあ、それ。そりゃあ、クーちゃんなんか一瞬で忘却の彼方でしょうさ。

★tonboriさん
『HERO』……かっこいいと思いつつも、やはりあの「書家兼剣客」の技に笑ってしまった私はファンではないのだろうか。ああいうことやって、「馬鹿だよ、俺」とか一ミリたりとも引かないのが、香港俳優のいいところ♪

★じゃがさん
気にしないでね~。いいの、お得意なジャンルじゃないんだし。
それより、「海釣り」でTB拾って(あ。指定しとるがなw9
Commented by acoyo at 2006-07-04 15:42
★santapapaさん
丁寧なお礼ありがとうございます。そう、偉仔は糸屋の娘~♪(なんか新しい名前として定着しそう、身内で。長年石鹸に語りかける男と呼ばれていたのでw)
やっぱ『欲望の街・外伝』、押さえてらっしゃいましたが。一部内輪受けとはいえ、トホホとして是非、取り上げていただきたいです。あの西瓜斬りとスープ買いは見応えがありました、いろんな意味で。
『悲情城市』は私も是非、書きたいですねえ。後、『恋々風塵』とか候考賢の作品について書けるものなら書きたいなあ。(今、ぱっとせんだけにいっそう)
Commented by zazies at 2006-07-07 21:02
すげー愛がいっぱいでございました〜
うちの同居人がトニーさんのことを疲れた石坂浩二だっていうのよ。
で、近頃とんでもないことを…村上ファンドも石坂浩二だっていうから、それってA=Cってことよねー!許せん。
Commented by acoyo at 2006-07-11 19:15
★zaziesさん
わあ、カキコありがとー。
うちのも石坂浩二と言いますの。「若い頃」と限定して欲しいなあ、昨今は、ほんと。しかも村上ファンドまで関わるとなると、それはかなり問題(爆)。