ジム・キャリー~カナダ人とアメリカ~他者の視点

ジム・キャリー、米市民権を取得

 ジム・キャリーがカナダ人だというのは、ファンだから知ってたけど、今まで市民権持ってなかったとは知らなかった。グリーンカードで働いてたわけか。
 
 アメリカ在住カナダ人でショービスに携わってる人というと、私には個人的に目につく人が多い。ダン・エイクロイドマイケル・J・フォックスもそうだし、ドナルド・サザランドもそうだったと思う(違ってたらゴメンナサイ)。何より、クローネンバーグ(藁)がそう!

 音楽で言うならジョニ・ミッチェルもそうだし、何より、ニール・ヤングもそうだ。

 もっといっぱい出て来る筈なんだが、物忘れがひどい昨今はこれくらいしか思いつかない(藁)。自分で言い出しておいて、そんなに多くねえでやんの(藁)。
 でも、どの人も、私はすごく好きなんだ。

 学生時代、ブルース・スプリングスティーンのインタビューを読んでたら、ジャージーから川を渡ってNYに行くことの意味、みたいなのがあって、パティ・スミスと仲がいいのはだからだよって書いてた。俺たちは二人とも、川の向こうのニューヨークに恋焦がれて、育ったんだよと。

 カナダの人にとって、国境の先のアメリカは巨大な紐育なんだろうな。
 
 仕事で行った同居人の話や『ボウリング・フォー・コロンバイン』で観る限り、カナダは住みやすいとこみたいだけど、やっぱ、田舎なんだろうな。アメリカがすぐ横にあると。アメリカの小説に出て来るカナダ人っていうのも、どっか田吾作扱いだし(藁)。私の連れ、「雄大な自然は5分見りゃ飽きる」(椎名誠の発言を一部アレンジ)と豪語する盟友ヨーコに言わせると、行ってはみたが退屈だった国ってことになるし(藁)。

 んで、カナダ人であることの利点というなら、やはり、アメリカのすぐ側で、同じ言語体系の中で、外国人として、他者としてアメリカを見つめられる、ということでしょう。この他者の視点=客観化というのは、見られる立場や作る立場に立つ人に取って、すっごい利点だもん。
(一応、したり顔で言うなら、カナダはまだイギリス連邦に所属してるし、ケベックを中心としたフランス語文化圏というのもあって、それなりにアメリカとは肌合いが違うと思う)

 個人的感想を言うと、カナダの男って、アメリカ俗語で言うかっこいい!のcoolじゃなく、温度差としてのcoolさを感じるのであります。
 そりゃ単にカナダ寒いからって言われればそんだけだけど、ある種ひんやりした風通しの良さというのか、どんなに笑かしてくれても、どこかひやっとする感触というか。
 冬になると家々が孤立する場所で育ったというのは大きいと思う。やはりカナダ人のグレン・グールド(彼はカナダを離れませんでしたが)の伝記で、子供の頃、軍艦色が一番好きだったと言っていた。そして、日曜に街に出かけた帰り、雪に埋もれた広い広い平原を車で走る間、ラジオを聴くのがとても好きだったと言っていた。
 単にラジオを聴くのが楽しかったというだけでなく、白一色の世界で、彼は閉ざされたという感触の中で、音を聴いていたんだと思う。その距離のある感覚を楽しんでたんだと思う。
 その彼とクローネンバーグを論じたのを、どっかで読んだ覚えがある。ここにニール・ヤングを入れると、私なりに何か完成する気がするんだけど。

(話を強引に持って行けば、R.E.M.の歌にある距離感ってのも、やはり彼らがアセンズという、アメリカの中心から遠い街に居た、ということも大きいと思うわけ。周縁と中心とか、山口昌男なんて思い出したりしてね)

 何にせよ、あの映画版『デッド・ゾーン』の風景も、『ゴルドベルク変奏曲』の硬い音も、カナダという風土無しには存在しない。ニール・ヤングの歌の飄々とした距離感は、ドナルド・サザランドに、そして、ジム・キャリーにもどこか通じている。

11:45加筆訂正
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by acoyo | 2004-10-15 11:23 | 映画・ドラマ | Trackback | Comments(6)
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Commented by kingdow at 2004-10-15 12:45
カナダへは一度だけ行った事があります。10月末でしたが、前日までは暖かかったのに、いきなり雪が積もり、路肩に乗り捨てられた車が何台もあるのを見ました。「なんも準備してないのにいきなり降りやがって、しゃーないな」という感じなんでしょうが、そのような環境で暮らしていると、なんでもかんでも人間中心という感覚は持てなくなるのでないかと思います。必然的に謙虚にならざるを得ないというか。

田舎好きの私は、一度の旅行でカナダにベタ惚れ。早期リタイアしてバンクーバーに住むという夢をまだあきらめきれないでいます。
Commented by forest-sea at 2004-10-15 20:09
微塵のゴミ・微生物さえいないのではないかという清潔感のある空気中でしか、クローネンバーグの世界は生まれてこない、とかなんとかいう話は、昔聞いたことがあります。というか、クローネンバーグが好きとはねー。
Commented by acoyo at 2004-10-15 23:44
>Kingdowさん
 キングの小説はメイン州の田舎が主な舞台なんで、カナダに近いですよね(大雑把に言えば)。私は、クローネンバーグが撮った『デッドゾーン』がキングの映画では一番好きだし、一番らしいなあと思います。

>forest-seaさん
 その文章、どっかで読んだ覚えが(藁)。ええ、クロちゃん好きっすよ。リンチと並んで、私の元セラピスト(藁)。
同じスプラッターな死体でも、クロちゃんの場合、冷たく光るステンレスの台の上に置いてあるってイメージっすね。なんか清潔。……要するに、私は少女趣味か?
Commented by 東京Worker at 2004-10-16 02:54 x
『デッドゾーン』 さすが、気が合うな。
原作と監督の解釈が無理なくつながってるし
主演のクリストファー・ウォーケンもいい。
ちなみに、愛する我が妻も同意見だそうだ。

余談だが、ブッシュを見てると、どうもあのデッドゾーンに出てくる大統領候補を連想しちまう・・・なんとなく。
Commented by PiuLento at 2004-10-16 12:51
話がそれちゃいますが、
グールド、好きなんです。
昔、ゴルドベルク変奏曲を死ぬほど聴いておりました。
最初に聞いたときは、ある意味ショックでした。
アリアから最初の変奏曲に入る時が、たまらなかったです。
よし、久しぶりに聴こう!
Commented by acoyo at 2004-10-16 22:18
>東京workerさん
 『デッドゾーン』については、前のうちんちの汚い台所か、
 東京のおたれな喫茶店かで語り合った覚えが……。
 可愛い奥さん、元気かい?
 ブッシュとは似てるかもな。元々はニューイングランドの名門の家だから、キングがよく悪役に使うような家系だもん。

>PiuLentoさん
 これ書きながら、実はゴルドベルグ聴いてました。無知だった私は例のハミングを、最初聴いた時、変な音が入ってるとお店に持ってった覚えがあります(藁)。私は第5変奏のあたりも好きです。