「ここに着く三角倉庫のならぶ港」  半径20キロの旅: 神戸港 魚崎 

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 タイトルの俳句は金子兜太のもの。

 春先に、ムンク展観に行った帰りに港に寄りました。
 神戸港っていうとみんな三宮か元町、ポートタワー、メリケン波止場あたりなんだろうな。そりゃ、私だって好きだけど、でも、こういう倉庫街の方は「もうむちゃくちゃ好き」となる。
 何より、私は働く機械、工作機械や大型重機が好きで好きでたまんないのだ。そいつらがいっぱいいるんだもん。特にこのクレーンが港にずらりと並んでるとこは、キリンの群れのようでかわいい。ついでに靄がかかっておぼろなシルエットだけだと巨神兵にも見えて、かなりステキだ。★1

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 これは狙いましたが、期待したほどじゃなかった(藁)。





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朝はじまる海へ突込む鴎の死   金子兜太

 こういう場所は、シーゴラスとシーモンスがどっちも大好きでお互いにハッピーという、有り難い場所でもある。まあ、瀬戸内の網元と船大工の孫であり、遠く南太平洋海洋民族のDNAを受け継いだシーゴラスにすりゃ、どこであろうと海の側ならカンファタブルなんだけどさ。
 だから、あいつは、空気の中に、どれだけ微少でも潮の香が混ざっていれば、すぐ嗅ぎ取る。街を歩いていていきなり、「あ、浜風」と呟いてちょっとほっとした顔をしたり、にこっとしたりする。
 そういう「にこっ」は、私に想像はできてもリアルにはわかんないとこからくる「にこっ」だ。
 でも、私は、隅々までリアルにわかりつくせるよな相手といっしょに暮らすのはとてもつまんないと思ってるから、かまわない。

 んで、以前、じゃ、君は、ヘミングウェイの『海流のなかの島々』みたいな生活が理想なんだねと気を持たせて訊ねた。すると、即座に、あれはちょっとおたれすぎ、別に朝からフローズン・ダイキリ入れてもらわないでもいいとぬかしやがった。かわいげの無いやつ。
「たださ、いつか仕事引退したら、どっかの小さな漁村でぼーっと暮らせたらいいかもな、ってくらいはたまに思う」

b0016567_12471177.jpg  私としては、ヘミングウェイの方がいいに決まっておる。トーゼン、あの小説のように別居して(藁)、私は街に住んでおるのさ。そいで、時折ふらりとその島のコテージを訪れ、ああいう滅法クールで粋な会話を交わしてみたりして、「さようなら、この悪魔、身体を大事にするんだぞ」とか言われてまた颯爽と街へと戻る、というのがしたいわけだ。ふふふ、ふふふふふふふ(妄想に突入中)。

 無論、シーゴラスがそんな粋な振る舞いをしてくれるわけもないから、脳内ではフレッド・ウォードスコット・グレン、あるいは神様仏様サム・シェパード「様」かに変換してあるくさ(ただ、サム・シェパード「様」はどこまでも内陸地帯の男だしなあ。ああ、ウォーレン・オーツを忘れてたぜ)。んで、私の方も、別れた奥さんのイメージモデルがマレーネ・ディートリッヒ(彼女はヘミングウェイの親友だった)である以上、まずは全身整形が必要か。何、妄想の中でなら高須クリニックに金払わんでもいいし。

 ……と、魚崎から完全に話が逸れた(藁)。まあ、どっちも好きな世界ですんで。
 そういえば、私は、バーではいつもトム・コリンズなんだけど、それもこの本のせいだった(フローズン・ダイキリじゃなくてねw)。遙かな昔、生まれて初めてカウンターに座って、「トム・コリンズ」と言ったとき、どきどきしたのを覚えている。
 ところで、新潮文庫、ジャケ変わってたんだな。でも、これこそおたれ杉で、私は、あのじいさんの写真の方がずっとスキだったぞ。


★1同じくそういうもんが好きなumacoさんとこの、「怒濤のクレーン連作」(爆)
#1 #2 #3 #4 #5 #6 #7 
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by acoyo | 2008-06-29 13:47 | 半径○キロの散策 | Trackback(1) | Comments(8)
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Tracked from  下衆牢愚 at 2008-06-29 16:46
タイトル : 観念しました
どうも風邪をこじらせたようで まったく快方へ向かう気配すらありません 観念して医者に行って薬をもらってきました これで熱でも出ればおとなしくしてるんですが ほぼ平熱なのでついあれこれしてしまいます 睡眠だけはしっかり取るようにはしていますけどね たださすがにカメラもって撮影に行くほどの気力は無く ほとんど屋内で過ごしています 故に蔵出しクレーン写真 ... more
Commented by samurai-kyousuke at 2008-06-29 15:06
大型重機&海・・・、いいですなぁ〜。
写真から潮の香りが漂って来そうです。

まあ、シーゴラスとシーモンスと言えば海ですよね。だいたい名前にシー付いてるし。(笑)
Commented by umaco at 2008-06-29 15:16
ぎゃー!w
こうやって改めてリンク貼られると恥ずかしいです
ましてや赤い巨神兵様の御足元になど恐れ多いww

>あの小説のように別居して
ははは まぁ海と街が目と鼻の先ならどちらにとってもよろしいのではないかと
そうなると神戸じゃ長閑さが足りないし琵琶湖周辺なんかどうですか(潮の香りしませんが)
湖西なら京都もすぐですしね
Commented by umaco at 2008-06-29 16:45
度々すいません
TBのお礼忘れてました ありがとうございます
忘れてたと言えば「くれーん」のタグ 1個だけ付けてそのままだったので全部付けておきました(笑) 
お手間でなければリンク先まとめて下さっても結構ですよ 
umaco.exblog.jp/tags/クレーン/   です
Commented by tonbori-dr at 2008-06-29 16:50
海の子やないけど、『潮の香り』ってのは分かります。
まあ広義で言えば大阪も海の街ですからねえ。(水の都)
あまり最近はほっつき歩いていませんが、こーゆうトコを見ると『ウルトラ警備隊西へ』を思い出します(笑)
Commented by samuge-nikukyu at 2008-06-30 02:03
大型重機と海っていう組み合わせは、わたしの脳内では高村薫のイメージです。硝煙と男臭すぎる男たち、みたいな。ハードボイルドー!
Commented by JULIKA at 2008-06-30 09:15 x
こういう写真、ワタシもだぁい好きです☆
実は勤務先から港が一望できます。駅へ行くとぷぅ〜んと潮の香りがします。すてきな重機もたっくさん見えます。ガントリークレーンってかっこいいですよねえ(ほれぼれ〜)。個人的にはとっても恵まれた環境でございます。
acoさまたちもお好きと聞いてたいへんうれしいです♪
Commented by acoyo at 2008-06-30 11:42
★samuraiさん
>大型重機&海
男の世界ってやつですね。
>シーゴラスとシーモンスと言えば海ですよね。
そうなんですよ。それ打ってて自分で気づいて笑いました。特にシーゴラスのDNAはこれで二重に根拠がついたよな、と(藁)。

★umacoさん
その道のご先達に褒めていただけましたら、これ以上のことはございません。そいで、
琵琶湖……? キューバの小島が琵琶湖かい?(爆) ううん、でもいいかもなあ。個人的には湖北の方が好みだけど、京都行くだけで一苦労だしな。
シーゴラスに言ったら、何、うちの両親の生まれた島にまだ土地は残ってる、ただ、君は、広島か岡山に住むことになるし、船は一日一本だ、それでいいのか、との返事でした。
そいで、タグ、そうか、そういう手があったか(爆)。いえ、お気遣いなく、七つも貼ったリンクがかわいいから(藁)。
そいでねえ、他のコメント見てて思ったんだけど、ネームカードに「大型重機」ってキーワードないかなあとふと。
Commented by acoyo at 2008-06-30 11:43
★tonboriさん
そうですね、大阪や神戸も街ですが、浜っ子ですしね。大阪の渡し船巡り、というのは近々狙ってるお出かけコースです。
>ウルトラ警備隊
工場好き、埋め立て地好き、港湾地区好きの刷り込みは、やはりそこだと私も思います。ただ、「帰ってきた」の方がそういうとこ意図的にうまく撮ってて、「11月の傑作群」もあるし、ホント、あれ、再評価されるべき作品だと。んで↓

★samugeさん
>高村薫
いきなし爆。なんか高尚だあ、ウルトラシリーズのわたくしに比べて。
後、深夜劇場の映画で観てた日活ものも、私には大きいと思います。全盛期のだけじゃなくて、藤田敏八とか。そういう監督が流れてって、今、CSでやってる70年代のドラマ観てると、いい光景がたくさん出て来ますよ。

★JULIKAさん
喜んでいただけて嬉しい♪
勤務先から港が見えるんですか?! いいなあ、いいなあ。私が居たとこからは向かいの病院の屋上が見えて、やくざの偉いさんが入院中、そこで運動してるとかでみんな騒いでおりましたが、えらい違いだ(爆)。
重機好きって、多かったんですねえ。よかった、一人じゃなくて。