ロードショーなんていつ行ったっけよ?
いや、ケーブルでがんがん流れるから、最新「予告編」批評は得意になった。
結論としては、しつこく予告編を見せられ続けると、八割の映画は観たくなくなる。
「ビデオは好きか。おれは大好きだ。いつも借りて観る。映画館が嫌いなんだ。コッポラが何と言おうが知るか。『地獄の黙示録』は小さい画面のほうがいいんだ」
これはアメリカ刑事ドラマの最高傑作、『ホミサイド殺人捜査課』で、マンチ刑事が言ってた台詞だが、わかる。
いえ、単に出不精の開き直りなんすけどね。映画館がなんかやだっつうのがあるのも事実。閉じこめられて、でかい画面とでかい音で無理無体に集中させられるのがどうもってのと、時々、横の客がすっげえ気に触ったりってこととかで。
でもまあ、一つ言い訳すれば、SFX大作については、TVで観た方が、大画面と大音量にごまかされずに済む分、脚本や演出が、いわば監督や役者の力量がダイレクトに見えると思う。(けど、そうしてると、たまに映画館行ったり、ライヴ行ったりすると、何でも新鮮に見えちゃってさらにだまされやすくなったりするのが難)
実際のとこ、私は、うちのTVで、うちのステレオで、洗濯物たたんだり、ご飯食べたり、仕事したりしながら、映画を見、音楽を聴いている。窓の外からはわらび餅売りの拡声器が響き、近所のガキが雄叫ぶ、傍らでは同居人がトイレに立ち、実家の母が電話して来る、そんなこんなの注意散漫な環境でも、ふと画面やスピーカーの前で正坐させられてしまう時があるから、映画ってのは、音楽ってのは、凄いもんだよなあと心から思う。